保育士の悩み上位としてランクインする不満の一つ「保育園の職場内での人間関係」

 

ある企業のアンケートで「女性ばかりの職場で人間関係にストレスを感じたことはあるか?」という質問に「ある」と回答した割合は100%と、驚異的な数字をマークした結果があります。

 

それに加えて、保育園内では、保育施設という特殊な環境と、女性が多数を占める職場内がほとんどです。

一般企業の女性社員の悩みよりも、いじめや職場内のトラブルで精神を病んだという人数の割合は高い比率を示しています。

 

 

人間関係のトラブルは、我慢できるレベルのモノならまだマシです。

しかし、パワハラやセクハラが原因で精神的に追い詰められ、ノイローゼや鬱といった病気になった上に退職にまで至ってしまうケースもあります。

 

せっかく夢である保育士になったという人もいるのに、人間関係のいざこざが理由で自分の保育士人生をメチャクチャにされてしまっては元も子もありません。

そこで、ここではキャリア別に保育士が直面する人間関係のトラブルやいじめについてまとめました。

その後、対策についても考えていきたいと思います。

 

新人保育士が直面する人間関係 先輩保育士からのいじめ 上司・園長先生とのトラブル

 

保育士という職業への期待や不安を胸に保育園に就職した新人保育士が直面する人間関係の悩み。

それは、園内の先輩保育士からのいじめや上司・園長先生とのコミュニケーション上のトラブルです。

 

外の世界と隔離された保育園内 お局と化した先輩保育士

勤務している保育士の中では、仲間同士で派閥を作ってグループごとに嫌いあって争っている場合があります。

その中でも、絶対的な権力を持っている先輩保育士がいて、そのベテラン保育士に目をつけられてしまうといじめの対象になってしまう、というようなケースがあります。

 

上手く立ち回って、先輩保育士さんからも気にいられれば、その後も何の問題なく保育園で働くことができます。

 

しかし、一度嫌われてしまうような行動をとってしまうと、簡単に仲間外れとなってしまうのが怖い所です。

保育園内で大きなパワーを持つお局先輩保育士には誰も逆らうことができず、周囲の人間も助けてくれないどころか、一緒になって自分の陰口を言うようにもなるのです。

 

 

もちろん、長年のキャリアを積み重ねた結果、何事にも動じず頼りになる素敵なベテラン保育士さんが在籍している園もあります。

しかし、ベテラン保育士さんの性格が悪く、そのようなボスを敵に回してしまうと、取り返しのつかないことになってしまうのです。

「そこはまるで大奥の世界」と比喩する方もいましたが、女性中心の職場ですと、このような上下関係が自然と出来上がってしまいがちです。

 

 

また、現在はお局さんに好かれているが、周囲で先輩保育士に嫌われて虐められている同僚がいて居心地が悪いと嘆く保育士さんもいました。

自分が嫌がらせやいじめを受けているわけではないですが、その保育園内の雰囲気が合わず、結局神経がすり減ってきて疲労感が溜まってしまうのです。

 

上司・園長先生が相談に乗ってくれない

 

就職したばかりの新人保育士は、職場でどう動いてよいのか理解するまでの間、右も左も分かりません。

そんな時、先輩保育士の他に頼りになるのが先輩保育士・主任保育士といった上司や園長先生だと思います。

 

しかし、中には現場の事は全て保育士に任せきり、勇気を出して声をかけてもまともに相談に乗ってくれないケースもあります。

他にも、保育士内での人間関係のトラブルやいじめを報告した際に

 

「まあ、でもあの人は仕方ないから。」

「ああいう人だから、うまく付き合ってよ。」

 

 

と、軽く扱われてショックを受けたという保育士さんもいました。

 

園児に体罰など厳しい指導 保育園の保育方針が理想と違い過ぎる

「期待に胸を膨らませて入った保育業界だけれど、いざ働き始めると園児に対する扱いが酷くてビックリした。」

 

最近ニュースでも話題となった園児への体罰や虐待問題

近頃メディアで一番大きく取り上げられたのは、保育園に通う幼児に対して、お昼ご飯をスプーン1杯ほどしか与えていなかったという児童虐待問題です。

 

しかし、それらニュースで知れ渡った児童虐待は氷山の一角です。

 

 

「子供たちに対して厳しく怒鳴りつけるのが通常で、ビックリした。」

「お昼寝の時間には、遊んでいる子供を掴んで、無理やり怒って静かにさせている。」

「私も子供を強く叱りつけるのが癖になりそうで、将来が怖いです。」

 

 

他にも、保育士さんの話によると、給食を与えない問題以外にも、園内の児童たちへの暴力・暴言で保育士たちの言いなりにさせようとする保育施設もあるという事でした。

 

 

「大人同士の人間関係なら我慢するけれど、保育の仕事のやり方が理想と違い過ぎて辛かったです。」

 

 

「社会は自分の理想像と大きくかけ離れていた」というのはよくある話です。

しかし、虐待しているかのような指導を当然のように行うブラック保育園の実態に遭遇した場合、自分の心の底から出た拒否反応は無視せず受け止めた方が良いでしょう。

 

2年以上勤務の中堅保育士の人間関係 上司と部下の保育士との板挟みに悩む

 

次は、新人保育士を卒業し、新たに部下の保育士やパートさんを配置されるようになる中堅保育士さんです。

 

はじめは戸惑っていた業務にもなれ、次第と責任感ややりがいが強まってくる時期なのですが、「それどころではない状況になってしまった・・・。」と現状を嘆く保育士さんも。

今までは下っ端で上の人達のことばかり気にして生きてきましたが、今度は先輩と後輩保育士の両方を見ながらの仕事になるため、板挟みにあって悩む保育士さんもいました。

 

真面目に仕事に取り組まない面倒くさがりな後輩

 

やる気のある新米保育士なら可愛いものですが、やる気がゼロで次第に真面目に仕事に取り組まなくなる後輩がいると困ったものです。

 

 

「はじめは真面目に頑張っていると思っていたのに、3か月くらいしてから私に対する態度が悪くなったり、仕事へのやる気が無くなったように感じる。」

「やらなければならない業務はたくさんあるのに、全て後回しにしているから、フォローするこちら側が大変!」

 

 

後輩と一緒に子供たちの世話をすることになると、後輩のサボり癖が自分の業務を増やす原因となることもあります。

指導して動いてくれるなら良いですが、「聞く耳を持たず」反抗的な態度を取っては仕事をしない後輩がいたら大変です。

 

ルーチンワークを他人に押し付け、後始末をほったらかしにする先輩保育士

また、同じようなケースに先輩保育士さんがサボり気味で大変だという派遣保育士・パート保育士の声もありました。

 

 

「給食やおやつの時間しか動いてくれず、後は子どもたちと一緒に寝たり、どこかへフラッと行ってしまったり・・・。」

「園児がうんちをした時のオムツ替えは、いつも私がやっている。」

「日誌や月案など、出さなければならない書類がたくさんあるのに、先輩だけは溜まりっぱなしで手が付けられない状態。」

 

 

面倒くさい業務や事件が起こると、全部先輩の部下である私に押し付けられる・・・

自分だけの負担が増えてばかりで不満が募る保育士さんの声でした。

 

悪い雰囲気や習慣に悪影響を受ける同僚保育士たち

他にも、保育業務と勤務先の保育園の雰囲気に慣れてきた同僚たちの変化もあります。

 

悪口を言い合ったり、新たにグループを作って嫌がらせや仲間外れをし始めたり、業務をサボって誰かに押し付けたり・・・

園内の雰囲気が悪いと、かつて新米だった保育士の中にも悪影響を受けてしまう人が出てきます。

 

「昔は仕事にも積極的に取り組んでいたし、やる気もあるように見えたあの子さえも・・・。」

 

はじめは真面目な努力家に見えた同僚でも、年数が経つにつれて不真面目な先輩保育士たちの習慣に慣らされたり、グループに属するようになって変わり果ててしまうこともあります。

 

「あの子は仕方ない」と、保育園内の問題を丸投げにする園長先生

 

本来、園内の雰囲気が悪くなる習慣を正すのは上の役職に就く人の責任でもあります。

 

しかし、園長先生や主任保育士に対して、不真面目で日々の決まった業務さえ怠る従業員について不満を話してみると

 

 

「あの子はああいう子だから、仕方ないよ。」

「あなたはしっかりしているから、フォローして上手くやってくれよ。」

 

 

と、問題を自分に丸投げしてしまう上司もいます。

 

 

「どうにもならないから勇気を出して相談したのに・・・。」

 

 

運営をきちんと行っている保育園であれば、このような出来事には遭遇しません。

しかし、補助金・助成金がたくさんもらえる現在の保育業界は、保育への熱意がなく、お金儲けのために嫌々やっている運営者もいるということを忘れてはなりません。

(参考:保育士の給料が安い理由 平均年収の比較と保育園の不正受給問題

 

ベテラン保育士の人間関係 誰にも頼れず責任ばかりが強くなる!?

新人保育士さんからは恐れられ、意外と批判の対象になりやすいベテラン保育士さんですが、勤務年数が長い人には長い人なりの苦労や心配事があります。

 

後輩保育士・新人保育士が育たない

 

「新米の保育士が成長して、みんな一人で何でも仕事ができるようになれば、保育園全体の質も上がるし、私達ベテランの負担も少なくなるはず・・・。」

 

 

そう思って、熱心に後輩への指導を行っていたのに、後輩保育士たちのやる気があまり高くなく、一向に成長が見られないと悩むベテラン保育士さんは多いです。

 

 

自分がさらにキャリアアップするため、保育園を退職して別の人生を歩むため・・・

ベテラン保育士さんが次のステップに進むためにも、後輩保育士の面倒を見て育成していくことは重要です。

しかし、気が付くと後輩が育つ前に辞めてしまったり、結婚していなくなったりと、一向に状況が変化していかないのです。

 

やりがいはあるが、大きい責任を背負うプレッシャーがきつい人も

 

保育士は大切な親御さんの子供たちの命を預かる施設なので、もともと社会的な責任は非常に大きいです。

中でも、後輩たちの過ちで最後の責任を背負うことになるのは、一緒に働いている先輩保育士です。

 

 

「あまり頼りにならない新人保育士たちの前では、自分がなんとかしなければならない・・・!」

 

 

と、必要以上に責任感・プレッシャーを感じてしまった結果、一人で思い悩んでしまい、うつになってしまう方もいます。

また、ベテラン保育士としての責任感から、後輩たちの指導がきつすぎてしまい、結果的に園内の雰囲気が悪くなってしまった、という場合もありました。

 

 

新米保育士ほど焦りや不安という感情と戦っているイメージがあります。しかし、ベテラン保育士はベテランとして大きな責任を負わされているという緊張感に焦りを覚えてしまうこともあるのです。

 

保育士は人間関係とどう付き合っていくべきなのか?

ここまで、キャリア別に保育士の人間関係の悩みを挙げていきましたが、いかがでしたか?

 

ここで、一点気をつけておかなければならない点があります。

それは、誰かから避難されるということは、第三者の目から見てあなたの態度や仕事ぶりに問題があるという可能性もあるということです。

 

あなたが人間関係で悩んだ時、まず自分の日頃の勤務態度と向き合ってみましょう。

まだ自分から改善しようと行動していないのであれば、努力次第でいくらでも自分の身の回りの状況を変えていける希望があります。

 

しかし、自分なりに頑張ってみても上手くいかなかったり、自分の感覚と周りのやり方がかけ離れていると、改善の余地がないと悩む人もいるでしょう。

 

 

「今の保育園・子ども園の人間関係が嫌だ!耐えられない!!」

「自分なりに頑張ってきたけれど、ここ(今働いている保育園)はもう無理なんじゃないかな・・・」

 

 

上のように、どれだけ頑張っても精神的に辛くて我慢の限界だということであれば、思い切って休職して身体を休めたり、働きながらでも転職活動を行っ方が良いかもしれません。

 

これは社会人全般にも言えることですが、一度長期休暇を取ることで、これまで追い詰められて見えなかった視点から物事を冷静に判断できるようになり、それが将来への転機となることがあります。

また、転職・再就職を考える時期としてもタイミングの良い時代です。今は保育士が人手不足の超売り手市場なので、少しでもキャリアがあれば引っ張りダコです。

(参考:保育士転職の今 充実した保育士人生を送るたったひとつの手段

 

需要が高まっていることもあり、「在職中でもOK」「相談だけでもOK」という条件で、無料で転職のお手伝いをしてくれる保育士転職サイトさんもあるので、興味があればいくつか登録してみるのも良いでしょう。

 

関連:保育士転職サイトに登録・無料サービスを利用する際のポイント

 

「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!

これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。

もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。

保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。

この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。

つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。

一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。

 

もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?

他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。

あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。

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