認可外保育所は、認可保育所と異なり、児童福祉施設には該当しない保育所です。

具体的に何が違うかと言いますと、認可保育所と比べて施設・設備の基準がある程度緩やかに設定されており、より自由な保育所運営が行えるのが特徴です。

そのため、認可外保育所は、認可保育所と比較すると、個性的で独自の保育を行っている園が多かったり、基準の緩さを活かした託児所・ベビーホテルの運営を行っているのは認可外保育所の認定を受けている施設が多いです。

 

認可外保育所の運営がなぜうまくいかないのか?経営難になる理由

 

認可外保育所の運営は厳しいとよく言われますし、保育業界に詳しくない人でも、何となく経営難がつきまとうイメージがあります。

実際、認可外保育所の運営がなかなか上手くいかないと言われる理由は、主に2つあります。

 

まず一つ目が、認可外保育所として登録している事業は、子供を預かるだけの託児所が多い点にあります。

0~2歳児の待機児童が問題視されている中、託児所の存在は非常に社会に貢献している事業なのですが、小さな託児所では0~2歳児ばかりが集まってしまう点に問題があります。

なぜかというと、保育士一人当たりで保育可能な人数は、0歳で3人の園児までと決まっているのに対して、3歳児は20人まで預かることが可能です。

つまり、3歳児以上の子供たちを預かる方が、保育所側に人員的なコストをかけずに済むので、小さな子供だけを預かるとなると、収益面で安定した収入を得ることが難しいのです。

 

また、認可外保育所が園児の不足で経営難に陥る問題として、4月に大勢の園児が退園してしまう4月ショックも見逃せない現象です。

4月ショックとは、4月になると、これまで認可保育所に入園できなかった園児たちが、認可保育所の空きが生まれることで移動してしまう現象です。

保護者側からすると、やはり大きな規模の認可保育園の方が、安心感もあり、子供たちもよりのびのび遊べそうで、なおかつ保育料も安い場合が多いので、認可保育所へと移ってしまうのです。

その上、ただ単に子どもを預かるという役割しか担っていない託児所の場合、より子供の成長に良さそうで、運営のしっかりした認可保育所へ預けたいという気持ちも出てきます。

そのため、4月前になると事業を続けるか、それとも廃園するかを検討する認可外保育所もあるほどの影響が出てくるほどなのです。

 

認可外保育所の収入は、約90%が保育料

 

そして、認可外保育所の運営が園児の存在に左右されやすい理由として、もう一つ挙げられるのが、認可外保育所の収入の約90%は保育料からの売り上げに依存している点です。

その一方で、保育園運営にかかる費用は、認可保育所と同じで、人件費が大部分を占めている状態です。

つまり、認可外保育所は、必然的に認可保育所よりも安定した運営が難しくなると考えられます。

認可外保育所ならではの、規制の緩さを利用した独自の事業モデルを展開し、強みを持っている認可外保育所は問題ないでしょう。

しかし、現状は普通の認可外保育所は人件費を賄うのも大変な保育園もたくさんあるのです。

 

そこで、東京都や神奈川県横浜市では、それぞれ東京都認証保育所制度・横浜保育室制度を定め、通常の保育料にプラスして補助金が支給されるなどの新しい試みがはじまっています。

その結果、認可外保育所ではあるが、地方の補助金がもらえる制度を利用した保育所が誕生しており、規模の大きな企業の認可外保育所参入も見られています。

認可保育所ではできない形態の保育所を作るという選択肢が取りやすくなったのです。

 

「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!

これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。

もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。

保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。

この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。

つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。

一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。

 

もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?

他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。

あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。

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