「一度結婚して保育士を辞めたけれど、家庭も落ち着いたし職場に復職したい!」
「他の職種に転職したけれど、やっぱり私は保育士の仕事が好きだと気付いたから復帰したいな・・・」
結婚や転職など、夢だった保育士を退職して新たな人生のステージに立つ女性は多いです。
その後、時間に余裕が出てきた時「また保育園で働きたい!」と思う人は非常に多いのですが、ある心配事があるために、なかなか保育士の復職へと行動をとれない人も多いのです。
それでは、保育士復帰の際に頭の中によぎる「ある心配事」とは、何なのか?
その答えは、ブランクです。
保育士で働いた経験があり、一度現場を退いた人はピンときたかもしれません。
保育士に復職する際、ブランクがあることを不安に思い
「本当に今から保育園に復帰しても大丈夫なのか?」
と、億劫になって再就職に踏み出せないのです。
それでは、保育士が復職する際に気にしている「ブランク」とは、具体的に保育士復職の障害となるのか?
保育士が復帰するときにブランクがあると本当に再就職は難しいのか?
今回は、ブランクを心配する保育士の心配事を詳しく調べた後、保育園の再就職の実態について見ていきたいと思います。
保育士復職のときに不安になる「ブランク」とは?
まず、保育士復職を考えたときに心配になるブランクとは、具体的にどのような「ブランク」があるのでしょうか?
保育の知識や方針が昔と変わっているのではないか?
保育士を退職してから長期間現場を離れていた場合、数年前は当たり前だとされていた保育の知識や方針がすっかり変わっているということがあります。
具体的に言うと、子供との触れ合い方やケガの対処法がより効率的なものに変わっていたり、新しい書類作成業務が増えていたりというものです。
最近では、保育園の種類も多様化しており、小規模保育施設や認定子ども園など、新しいタイプの保育所も増えました。
それに伴い、子供との関わり方や育児方針も、個性的な保育施設の増加により多様化しているという現状です。
ただ、こういったことは保育園に限らず、どの業界でも常に変化しています。
昔の常識が今の非常識となり、新たに常識とされるルールが生まれています。
復職を考える保育士もその例外ではなく、保育園を離れていたことで、現在の保育業務についていけるか不安を覚える保育士が多いです。
[みんなの仕事についていけない!]体力が持たないのではないか
保育士が体力のいる職業だというのは、保育園に就職した経験のある人なら誰もが身をもって感じていることです。
新卒で保育士として働いていたころは、いくら重労働で長時間勤だったとしても、若い体力を武器に乗り切っていられたかもしれません。
しかし、一度保育園を退職した後、仕事をやっていない期間が続くと
「保育園の仕事内容は体力がいるし、保育士に復職してもついていけないかも・・・。」
「もう昔のような無茶はできないだろうな・・・」
「体力が続かなくて、他の保育士さんや保育園に来る子どもたちに迷惑をかけてしまったらどうしよう・・・。」
という不安が出てくるのはごく自然のことだと思います。
[時間的に余裕が取れない!]仕事と家庭の両立ができるのか不安
「昔は朝から晩まで働いていたけれど、今は家の事情もあるから残業はできない。」
「結婚して夫と子供がいるから、都合の良い時間に退社させてもらえるか不安。」
「家庭の事もしなくちゃいけないから、家から遠くて通勤に時間のかかる就職先はムリ。」
保育士の仕事に復職したいと希望する人の多くは、結婚を機に退職した寿退社か、家庭の事情が理由で保育園を辞職しています。
そして、保育士の仕事をしていた人には、長時間勤務や残業が当たり前の職場で働いていた人もいます。
「自分の都合で仕事時間を増やしたり、残業することは許されない。
でも、そんな希望ばかり並べたら保育士に復帰する事なんてできないのではないか?」
そんな不安から、保育士への復帰に後ろ向きな姿勢になっている人もいます。
保育士復職を妨げるブランクの不安は解消できるか
上記のように、一度退職した保育士さんがブランクを不安視するのは当然の理由がありました。
それでは、ブランクが原因で保育園に復職することは不可能なのかと言いますと、そうとは言えません。
むしろ、過去の保育士経験や人生体験を武器に、良い待遇で職場復帰している保育士さんもいます。
「じゃあ、ブランクの問題はどうやって解決したの?」
そこで、保育士が復職の際にブランクを解決した方法について見ていきたいと思います。
保育の知識はネットや本、セミナーで学び直す
保育実習の内容や保育関連の法律も年々変化するのは、時代の流れもあり仕方ないところです。
しかし、そこで「じゃあ昔働いていた私にはもう無理なんだ」と諦めるのは時期尚早です。
今の時代、インターネットを介して保育関連の情報を集めることができます。
現在は、保育士専門の情報サイトなども増えており、保育業界の新しい新常識や勉強会などの情報を手に入れることが簡単になりました。
年度版の保育士の基礎知識について書かれた書籍や参考書を読むのも良いです。
以前、はじめて本を読んで保育士の勉強をした時は、つまづいて時間がかかった分野もあるかもしれません。
しかし、一度保育士資格を取得するために勉強し、保育園で実際に働いた経験があれば、本を読んで復習と新たな知識を吸収するのは比較的楽なはずです。
また、今は潜在保育士のために保育士復帰セミナーを行っている団体もたくさんあります。
具体的に例を挙げると、地方公共団体の研修や、全国にある社会福祉法人の保育所就職支援セミナー、ハローワークの保育士再チャレンジ研修会、そして大手転職サービスや求人サイトサービスが開催する再就職セミナー・技能セミナーなどがあります。
政府が力を入れている保育事業だけあって、日本全国で保育業界の新知識を無料で学べる催しが開催されています。
特に、ハローワークや転職サービスを展開する企業が行うセミナーでは、知識を吸収できるだけではなく、その後の再就職についての支援や情報も得られます。
保育士で復職を考える際、知識面と就職手続き、両方の面で不安な人は、こういった無料のサービスを試しに利用するのも手段の1つです。
現役の保育士と比べると、体力面はやっぱりキツい!?
一度現場を退くと、現役だった頃と比べて極端に体力が低下してしまうのは仕方のない事です。
そのため、保育園に再就職すると、バリバリ働く現役世代の保育士さんに体力面でついていけないということは、実際にあります。
しかし、体力的にキツいのははじめの数か月で、業務に慣れれば昔のように働けるようになったという声も多いです。
なぜ、普通に働けるようになるのかと言いますと、体力が次第に戻ってくるというのも理由の一つですが、一番は保育園で働いた経験があるために、新人時代のように業務で大きな無駄をすることもなく、何も分からなくてがむしゃらに頑張る必要がないのです。
新しい保育所に再就職を果たした場合でも、どのあたりで力を抜いて、どの時間でグッと体力を使うのか?
仕事にメリハリをつけて、自分の身体を上手くコントロールできるので、新人時代よりも楽に仕事を回せるようになっているのです。
「保育士に復職する」というと、何かデメリットばかりが目立ちますが、実はれっきとしたメリットもあるということを忘れてはいけません。
時間的余裕がない場合は、希望条件を根気よく探すか非正規雇用も考える
「昔は一人暮らしで独身だったため、いくらでも仕事に時間を費やせていた。」という方も多かったかもしれません。
しかし、復職する保育士さんは、家庭のことや子供・パートナーの関係など、仕事以外のことも考えたライフスタイルを意識しなければならない人が多数だと思います。
そのため、自分の希望通りの勤務時間と通勤時間が叶う再就職先をみつける必要があるのですが、正社員ですべての条件を満たす職場を発見するのには時間がかかるかもしれません。
しかし、時間はかかるかもしれませんが、今は保育士不足の超売り手市場。
どの保育所も優秀な人材欲しさに、今まで見なかったような高待遇で保育士求人を出す法人も出てきています。
(参考:保育士求人の現状とこれから あなたの仕事の問題点は転職で良くなる?)
その他、ハローワークや求人誌以外にも、転職サービス会社も乱立し、競争して人材を奪い合っているような状況です。
それらの求人サイトを上手く利用することで、限りなく自分の要望に近い求人情報を見つけることはできるはずです。
(参考:保育士転職サイトに登録・無料サービスを利用する際のポイント)
また、どうしてもすぐに保育士に復帰したいという方や、いきなり保育士に復職するのは不安という方は、非正規雇用やパートタイマーの保育士求人も視野に入れておくとよいでしょう。
派遣社員や契約社員、アルバイトは正社員と違って辞めたいときに辞められる所が多いですし、正社員と違って意外と高時給・高待遇の求人が多いです。
合わなければすぐに転職することも可能ですし、自分に今の働き方が合っているのかを確かめる手段にもなります。
それに加えて、本格的な保育士の復職へ向けての良いトレーニングにもなります。保育園の中に身を置くことで、仕事のカンや体力も戻ってきます。
まずはパートで様子を見ながら、自分にしっくりくる勤務時間や職場環境を考えて、正社員の求人を探していくのもアリです。
ブランクのある保育士は復職で不利になるのか?
ここまで、ブランクのある保育士が、どのようにブランクに対処して復職するのかについて解説してきました。
最後に一つ、あなた自身の頭でも考えてほしいことがあります。
それは「そもそもブランクのある保育士は復職に不利なのか?」という点です。
保育士視点で見たとき、保育士の復職にはどうしても「ブランク」の心配が頭をよぎります。
しかし、保育士を雇う側の経営者、保育所でバリバリ働いている保育士やパートさん、保育士と保育園をつなげるハローワークや転職サービス企業の視点で見てみると、復帰したいと言う元保育士の姿はどう映るでしょうか?
意外と現場でも求められている保育士の復職
保育士を雇う側からしてみれば、イチから仕事を覚えなければならない全くのド素人よりも、ある程度社会経験を積んだ、それも保育士資格を持つ人の方が即戦力となり頼りになります。
現役で働く保育士さんにしてみれば、ブランクのある保育士さんは、どこを教えてどこを任せたら良いのかという判断に困る場合もあります。
しかし、こちら側から分からないところや気になる所を聞けば、後は自分でも動けます。別業界から転職してきた人や新人よりも、復職した保育士の方が仕事を任せやすく、すぐに現場に対応できるというメリットがあります。
パートさん目線や、自分がアルバイト・派遣社員で再就職する場合はどうでしょうか?
パートさんからすると、保育園内の職場事情や保育士の業務を詳しく知る人が身近にいることで、何か事件が起きたり、急に仕事を振られても安心感があります。
自分がアルバイトや派遣社員で保育士に復帰した場合は、正社員の保育士さんにとって、元保育士で知識や経験豊富なパートさんは、雑務や手伝いを安心して任せられる頼りになる存在となるはずです。
他にも、パートなら進んで正社員さんのお手伝いを買ったり、子供たちや保育関係の話をすることで、より早く信頼関係や人間関係を築くことも可能でしょう。
結婚・出産・子育ての経験があれば、それが活きることも
また、結婚を機に保育園を退職した保育士さんの場合、家事・育児が保育士の仕事にプラスに働くことが期待できます。
炊事・洗濯は毎日効率的に、素早く終わらせなければ時間が無くなります。子育てを通じて、乳幼児との触れ合い方や幼い子供との関わり方など、知らず知らずのうちに色んなスキルが向上しているからです。
実際、保育の現場では、忙しい中掃除や洗濯など、雑務をスピーディーにこなす年配のパートさんは非常に頼りにされている存在です。
保育士復職のコツ 職場復帰は経験を武器に、ブランクも前向きにとらえる
以上、保育士のブランクと復職の実態について解説してきましたが、いかがでしたか?
「保育士で復職したい」と考えた時、長い間保育の現場を離れた事で、職場復帰に対して後ろ向きになってしまう気持ちがあるのは致し方ない事です。
しかし、保育士のブランクは比較的容易に対処できることや、意外と保育士に復職する方法はたくさんあるということも発見できたのではないかと思います。
ブランクを不安視して、保育士の復帰を躊躇するのは、非常にもったいないことです。
せっかく勉強して保育士や幼稚園教諭の資格を取得し、保育園での実務経験があるのであれば、それを活かさない手はありません。
特に、採用側の保育園・子ども園も、保育士に復職するにあたり、しっかりした動機や熱意を持つ保育士さんは大歓迎です。
もし、あなたが保育士に復職したいという考えをお持ちであれば、自分だけが持つ強みや復帰への想いを存分にアピールして、保育士の職場復帰へと行動しましょう!
「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!
これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。
もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。
保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。
この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。
つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。
一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。
もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?
他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。
あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。
保育士求人の現状と転職業界の真実(現役保育者・保育士になりたい人へ)