日本では、待機児童の根絶に向けて、保育事業の新規開園について補助金や規制緩和で後押しを続けている状態ですが、今後必ず供給が需要を上回る時代が来ます。
そうなれば、今度は保育園・幼稚園に通う園児を奪い取り、何とか生き残ろうとする競争が発生するはずです。
現に、今の幼稚園業界でも、他の幼稚園のエリアと被る場所に開園し、そのエリアの幼稚園児のシェアを一気に奪っていくという現象が起きています。
特に、4月になると多くの保育園児が、空いた認可保育所へ移ってしまう「4月ショック」が発生する小規模保育園・企業主導型保育園では、都心部を中心に園児を確保しようと躍起になるという事態に陥っています。
保育事業というのは、社会貢献を担う福祉分野の業界なので、競争と言うと違和感を感じられますが、今後も園児をめぐる保育所の争いは続き、勝ち負けがはっきりと決まっていくでしょう。
競争した後、生き残るのは勝った保育園と幼稚園だけか?
ただし、競争原理で他の保育所を潰して勝ち残った保育園・幼稚園のみが生き残るのかと言いますと、結果はまた違ってくると考えられています。
それは、巨大な資金力を持つ大手企業が、大きな保育園や幼稚園を展開していく傍らで、それができない小さな保育所などは、大手がやっていないサービスや特徴を武器に、大手ができない役割を担おうと動く保育事業者も現れるからです。
確かに、大手企業に真っ向から勝負をしかけるような保育事業を展開していては、なかなかシェアを奪うのは難しいと思います。
しかし、保育事業者が、上手く大手が担えない役割を率先して担当し、相互に助け合うような関係になれば、お互いの保育の質を高め合うことができます。
また、妙にライバル企業を意識しようとせず、独自の理念やサービスを追求すれば、どこにも真似できない魅力的な保育園ができ、そこに新たな需要が生まれることも期待できます。
このように、保育事業は競争の面ばかりが強調されがちですが、福祉事業だからこそ、お互いが役割分担をし、相互に協力し合う面に注目していくべきです。
そして、今後保育事業で働く人は、「長所・特徴は何なのか?」「何のために、誰のためにこの保育所で働いているのか?」を常に考え、行動することが大切です。
「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!
これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。
もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。
保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。
この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。
つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。
一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。
もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?
他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。
あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。
保育士求人の現状と転職業界の真実(現役保育者・保育士になりたい人へ)