勤続年数も数年経ち、経験と知識も豊富に持つであろう年齢になったベテラン保育者は、保育園内では他の保育士をリードし、時には主任保育士や園長先生など上司に当たる人の大きな助けにもなり得る存在です。
園全体のことを考えて行動でき、ある程度の問題は自分一人でも解決する能力を持っているのが、多くの人のもつベテラン保育士の特徴でしょう。
しかしながら、いざ自分が年上になり、立場上はベテランといえる先輩保育士になった時、まだまだ自分一人では解決できないトラブルに見舞われ、周りの保育者から助けられたりするなど、理想と現実のギャップが埋まらずに苦悩する場合があります。
「もっとカッコイイ先輩保育者になりたかったのに。これじゃあ、先輩としてのプライドもへったくれもないわ・・・。」
「もしかすると、私は保育士に合っていなかったのかもしれない・・・。」
保育士として、ある程度業務に慣れた頃から自信を無くしていく保育士も少なくありません。
放っておくと、モチベーションの低下や心身を病むことにもつながります。
立場が変わり始めたベテラン保育士は、園内でも孤立しがちになる
例えば、支援を要する子どもがいるクラスの担当を任せられるようになった時、これまでの経験から「自分一人でもやっていけるはずだ!」と思っていたのに対し、なかなか子供の対応が追い付かず、後輩保育士や同僚に手伝ってもらってしまう場合があります。
本来ならば、対応が難しい子供たちの保育を受け持つのは、通常よりもレベルの高い知識と経験が必要なので、助けを借りることは当然のことです。
しかし、保育士年数も数年経験し、自他ともにベテラン保育者だと認められるような年齢になった保育士本人の目線では
「ベテランだからこれくらい対処できて当然なのに・・・私はダメだなあ。」
「こんなに周りに助けてもらってばっかりで、先輩保育士としてのプライドなんてない。やっぱり私には保育士合ってなかったのかな・・・」
と、自分で自分を低く評価してしまいます。
その結果、周りは手伝うのが当然だと思っているのに対し、自分一人で悩み苦しみ、徐々に園内の人間関係からも孤立しがちになります。
年上のベテラン保育士になっても問題が尽きないのは「難しい問題」に直面しているのが原因
さきほどの例では、「支援が必要な子供の対応」という、難しい問題に直面することで、ベテラン保育士さん自身が悩む結果となりました。
確かに、「まだまだ実力不足だ」冷静に自分の実力を自己評価する能力はあった方が良いですが、度重なる自己評価が行き過ぎて、自分自身を追い詰めるようになってはいけません。
いくら年上で立場上目上になったとしても、新しい問題というのは常に発生しますし、主任保育士や園長先生・保育所経営者も、日々「難しい問題」に直面し、挑戦を繰り返しています。
責任感が強いのは、命を預かるという重い責任を背負う保育士として良い資質です。
しかし、いくら勤続年数を重ねたベテラン保育士になったとしても、1人で頑張りすぎるのは禁物です。
1人ではどうすることもできない問題もありますので、上の立場の主任保育士や園長先生、または同じ立場で働く同僚や後輩とも話を聞いてもらうのが良いでしょう。
「具体的にどういう問題が起こったのか?」
その時の状況を含めて起こった問題を同じ保育園内の従業員と共有すれば、その後の保育の支援方法が変わる可能性もありますし、新しい協力体制が生まれるかもしれません。
ひいては、園内の活性化と効率化という大きなメリットにもなりますし、保育所全体でレベルアップすることができます。
保育者として、相談することは恥ずかしい事ではなく、積極的にしてほしい
相談と聞くと、助けを乞うようで申し訳ない、情けないという風にとらえるプライドの高い保育者もいるかもしれません。
しかしながら、上に述べた例のように、相談や質問には、周囲に対しても大きな効果を生む場合があります。
保育士同士の協力体制も、より強固なものになっていきますので、恥ずかしがらず、積極的に行っていきたいところです。
また、冒頭で少し述べた「支援を要する子どもの対応」ですが、特別支援のような難しい問題を扱う場合は、外部の専門家の話を聞きに行ったり、相談するのも良い方法です。
各地域に「発達支援センター」「就学支援チーム」などの専門機関には、臨床心理士・臨床発達心理士・言語聴覚士・作業療法士という発達支援に関する専門家が在籍しています。
他にも、保育の専門家である保育アドバイザーやカウンセラーに相談すると、ストンと腑に落ちる回答をもらえることもあります。
ベテラン保育者としてスキルを上げたいならば、県外の保育者や外部の専門家とつながり、新たな学びを得るのも一つの問題解決方法として考えておきましょう。
「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!
これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。
もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。
保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。
この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。
つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。
一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。
もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?
他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。
あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。
保育士求人の現状と転職業界の真実(現役保育者・保育士になりたい人へ)