昨今、保育士の労働環境が激務で劣悪だと話題になっています。
そんな中、保育士のサービス残業や持ち帰り仕事をナシにしようと積極的に取り組む企業が注目されており、保育士として働きたい人を増やそうと頑張っている組織も出てきました。
そこで、時代の流れに沿おうと、園長先生自ら率先して現場の仕事を手伝い、行事の準備や会議の進捗などを一手に引き受けようと頑張る素敵な先生もいます。
ある保育園では、園長先生の頑張りもあり、残業が多いとされる保育士たちも定時の時間帯に帰宅できるようになり、末端の職員たちの仕事内容は随分と楽になりました。
しかし、なぜか保育所で働く従業員たちのやる気がないように感じるようになったのです。
しかも、園長先生が頑張れば頑張るほど、職員たちの態度は悪くなっているように思います。
一体、素敵な園長先生のいる保育園で何が起こったのでしょう?
やる気がなくなった保育所の職員たちの気持ち
園長先生は頑張れば頑張る分、保育所で働く職員たちの仕事は楽になり、職場への満足感は上がると信じて行動していました。
しかし、実際はその逆で、保育士たちは徐々に園長先生の行動に対して不満を募らせていく結果となったのです。
職員のやる気がなくなった原因を一言で表すならば、やりがいが全く無くなったことが理由だと言えます。
園長先生の立場になって考えれば、
「今まで、保育士はツラい、汚い、安いの三重苦の職業だったから、それを改善したのに、なんで?」
と思ってしまいますが、何でも自分でやり過ぎて、職員たちが日々成長ややりがいを感じない保育施設になってしまえば、職場としての魅力は感じなくなってしまうのです。
園長先生や主任保育士など、上の立場の人間から見れば、
「なんて贅沢でわがままな要望を出すんだ」
と思うかもしれません。
しかし、下の立場になって働いている保育士たちの目線から考えれば、どうでしょうか?
例えば、行事の準備や会議の進行などを園長先生が1人で淡々と進めてしまうと、他の職員たちは、何だか他人事のように思えてきてしまいます。
一応、みんなで一緒に協力するという名目にはなっていますが、保育士一人一人が戦力ではなく、コマの1つとして見られており、園長先生たち上の人間にないがしろにされている気がするのです。
これでは、組織の一体感など出ませんし、団結して、お互い仕事を頑張ろうという気にはなりません。
日々、充実感や達成感を感じることがない保育士たちは、園長先生の支援に感謝しながらも、何か釈然としないモヤモヤとした気持ちに悩んでいたはずです。
部下が効率よく仕事できないのは当たり前 やる気を出すためには成長と充実感を与える機会を
園長先生になる人間であれば、保育に関する知識も経験も豊富で、何でも効率よく仕事を進めることが可能です。
ただ、多少の時間ロスは犠牲にしても、まだまだ経験の浅い保育士たちに成長と充実感を与える機会を作るべきです。
下の立場の人間に適切な役割を与えるのも、園長先生の仕事の1つです。
「この人はどのくらいの仕事ならできそうか?」「次は、この業務をチャレンジさせてみるべきか?」
職員一人一人の能力を見極めるのは難しいですが、一度役職を与えたからと言って丸投げにせず、無理そうなところは相談して協力し合うなど、定期的にサポートに入れるようにしましょう。
また、会議の場を園長先生が取り仕切ることになっても
「私はこのように思いましたが、みなさんはどう思いますか?」
「やってみたいこと、できそうなことはありませんか?」
と、職員全員が発言し、場に入れる雰囲気を作れるように工夫しましょう。
長い目で見ると、保育士の育成は大切にしたい
はじめの内は、
「何でも経験豊富な自分がやった方が早く正確にでき、トラブルも起きない。」
と、自分一人で様々な業務を片付けてしまう園長先生や主任保育士さんも多いと思います。
しかしながら、長い目で見れば、若い保育士にいろいろなことを経験させ、保育士を育成させていく姿勢を大切にしたいところです。
まだ経験が浅く、何もできないような保育士も、徐々に研鑽を重ねていけば色々な業務を任せられるようになります。
また、保育士としての専門性が高くなるので、自分一人ではできない仕事もお願いできるようにもなっていきます。
現場で働いている保育士目線から見ても、仕事は大変だけど成長を感じる毎日に手ごたえを感じますし、仕事のモチベーションアップにもつながります。
保育士に新しい業務を覚えさせたり、経験を積ませるためにサポートを行うのは大変な労力がかかります。
ですが、職員一人一人が充実感や達成感を感じられるような職場づくりをすることも大切です。
「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!
これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。
もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。
保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。
この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。
つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。
一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。
もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?
他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。
あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。
保育士求人の現状と転職業界の真実(現役保育者・保育士になりたい人へ)