これまで、小さな子供たちに関わる仕事の国家資格と言えば、保育士と幼稚園教諭の2種類のみで、勤務先も保育園と幼稚園できれいに棲み分けされていました。
しかし、新しい国の政策で「幼保連携型認定こども園」が作られたことで、認定こども園で働く職員は幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持っている人が望ましいとされました。
「保育教諭」とは、この認定こども園で従事するべきとされる、幼稚園教諭と保育士両方の資格を持つ人のことを言います。
保育教諭になるメリット
保育教諭になるメリットとしては、なんといっても「活躍できる範囲が広がる」「多くの仕事を経験できる」ことにあります。
例えば、保育教諭になれば、今も増え続ける幼保連携型認定こども園への就職もしやすくなりますし、幼稚園と保育園両方への就職も可能です。
また、幼稚園と保育園両方の性質を持つ施設で働くことで、保育園と幼稚園、どちらかでしか経験できないこともできますし、認定こども園だからこそ体験できる業務もあるでしょう。より、保育業界のプロとしての知識や経験が育ちます。
現時点では、保育教諭であることが、幼稚園教諭免許・保育士資格どちらか一方しか持たない人よりも極端に待遇が良くなったり、給料が高くなるという傾向はそれほど見られませんが、保育事業者から見ても、今後はさらに保育教諭であることを肯定的にとらえられるようになると考えられます。
保育士資格と幼稚園教諭の国家資格の両方を持つ保育教諭になるメリットは、今後もさらに多くなることは確実ですし、保育教諭になるデメリットは特に考えられません。
強いて言うならば、両方の資格を取得するまでに時間がかかる点があります。
幼稚園教諭・保育士資格の一方しか持たない人が受けられる、保育教諭になれる特例制度
しかし、幼保連携型認定こども園の制度ができたとき、保育士と幼稚園教諭の資格を持つ人の内、20~30%くらいの人しか、両方の免許を持つ人がおらず、保育教諭の人数が足りないという問題がありました。
そこで設けられたのが特例措置です。幼保連携型認定こども園の制度発足後5年間は、保育士資格・幼稚園教諭免許のいずれかを持つ人が、持っていない保育士・幼稚園教諭免許を取得しやすくなる制度です。
この特例措置により、幼稚園教諭免許を持っている人は、通常34単位必要な単位が8単位で取得可能になるか、保育士試験で該当科目にのみ合格すれば保育士資格を取得できるようになりました。
逆に、保育士資格を持つ人は、8単位の修得でまたは、学士の場合は一種の幼稚園教諭免許状を、短期大学士・専門学校卒などは二種の幼稚園教諭免許状が与えられるようになりました。
(特例措置の対象となる人は、幼稚園教諭免許または保育士資格のどちらか一方を持っており、保育士施設・幼稚園で3年且つ4320時間以上の勤務経験がある人が対象になります。)
今後、日本では幼保連携型認定こども園の開設・移行の他に、社会のニーズに合わせてさまざま形態の保育サービスが生まれてきます。
保育士・幼稚園教諭両方の知識を持つ保育教諭の存在は、さらに重宝される存在となるので、これから保育士・幼稚園教諭を目指して働きたいと思っている人は、取得しておいて損はないでしょう。
「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!
これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。
もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。
保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。
この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。
つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。
一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。
もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?
他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。
あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。
保育士求人の現状と転職業界の真実(現役保育者・保育士になりたい人へ)