保育士として4,5年のキャリアを積み、知識も経験も増えてくると、「今年度からは、企画の運営や、新しい催しの提案もしていきたい」と考える保育者もいるかと思います。
自分から理想的な保育所になるように行動を起こすことは、自分自身のレベルアップにもつながりますし、何より保育所の運営陣にも活気が生まれ、良い循環が回りだします。
しかし、いざ自分が
「〇月度は、こういった内容の会をやってみないか?」
「今年は、新しくこういった取り組みをはじめないか?」
と提案してみても、
「子どもたちも入園してすぐで落ち着かないから」
「新任の保育士さんも多いし、危険も多いから、ここはいつもと同じようにしましょう」
と、いろいろな理由をつけられて、せっかく考えた企画が軒並み却下されることがあります。
「何で私の意見は全く通らないのか?」
「どうして私の思いを聞き入れてくれないのか?」
「こんなことでは、今までと全く変わらない一年になってしまう。」
長年勤めた保育所の特徴もしっかり把握し、その上で保育所のためを思って提案しているのに、あっさり経営陣や園長先生、先輩や主任保育士にノーを突き付けられる現実。
「1回くらいは通してくれてもいいのに」と、徐々に焦りや苛立ちといった感情が湧きだしてしまいます。
「なぜ、意見や提案が聞き入れられないのか?」他の先輩保育士や園長先生はどう思っているのかを考える
保育所のために積極的に意見を出してくれる保育士は、保育所全体にとって非常にありがたい存在です。
同僚や先輩保育士もそうですが、主任保育士や園長先生も喜ばしく思っているはずです。
しかし、なぜか意見や提案はそのまま聞き入れられることはありません。
一体、これはなぜなのでしょうか?
視点を変え、他のベテラン保育者や園長先生の立場になって考えてみます。
まず、園長先生・主任保育者にとっては、保育施設全体がトラブルなく運営でき、新任の保育者も安心して経験を積み、成長していける現場を作っていくことが最重要課題です。
そのため、新年度に代わってすぐ、新任の保育者や入園した子供たちが戸惑いそうな、敷居の高い催し事を企画し、提案すると、保育所全体が混乱してしまうのではないかと考えます。
また、新しい取り組みをはじめるにしても、それを続けることで、保育所のどこかで大きな負担が出ないかを考える必要も出てきます。
学年全体を見る主任保育者の立場から考えると、初任保育者の面倒も見つつ、新たな取り組みは保育所のどこかで負担が出ずに行えるものなのか?
逆に負担が減るとしたら取り入れたいが、今すぐは環境が整っていないので難しいのではないか?
保育所全体を見て考えると、人員・環境の有無やタイミングなど、考慮すべき点が多々ある事に気づくのです。
頑張って考えた意見や企画が受け入れられず、「私の声は全く上には届かない」と落胆する一方で、上の立場の人達は、実は真剣に下の保育士さんたちの意見について考えているかもしれません。
保育所の事を考えて、企画を考えたり、意見を言ったりすることは無駄ではない
自分が頑張って企画を提案したり、意見を言って何も変わらないと
「私の意見は全く聞いてくれない」
と落胆するかもしれません。
しかし、保育所の事を考えて、真剣に企画を練ったり、意見を話すことは無駄ではありません。
その努力はあなたを成長させますし、時が来たら企画が再考されることにもつながるからです。
時が経ち、企画に必要な人員や環境が整えば、やってみようかと今度は上から動き出すこともあります。
それまでは、自分のスキルを磨いたり、他の保育施設の人達と交流して情報を得るなどして、自分の知識の向上と視野を広げることに努めましょう。
そうすれば、今まで思いつかなかった良いアイディアが思い浮かび、最適のタイミングで企画を通すことができるかもしれません。
「保育士が苦しいのは当たり前」な時代はもう終わったって知ってます?保育士も二極化の時代に乗り遅れるな!
これまで「保育士が[キツイ・汚い・安い]の三重苦の仕事なのは当たり前」と見られる風潮がありましたが、すでに保育業界も二極化の時代に突入しています。
もう少し詳しく言うと、「辛くて給料安いのは当たり前だから」と当然のように保育士の待遇が悪いままにしている保育施設と、「働く環境を整えなければ、将来のための良い保育も出来ないし、保育士も育たない!」と考え、積極的に待遇改善へと動く事業者に分かれてきているのです。
保育園も、内外両方から見て魅力ある「本物の保育所」だけが選ばれる時代がやってきているのです。
この流れは今後ますます強くなっていくことは明白です。
つまり、あなたが今、自分の待遇や職場環境に大きな不満があっても、その場にとどまり続けていては、苦しい状況はずっと続くのです。
一方で、就職で良い職場に入れた保育士さんや、自分に合う保育所を探している人には、明るい未来を掴み取る可能性があります。
もし、あなたが今の環境に不満を持っていたり、これから保育士になろうと考えているのであれば、真剣に自分にマッチした保育士求人を探してみてはいかがでしょうか?
他の保育所に転職して、余裕を持って働いている保育士さんも大勢います。
あなたのちょっとした行動一つが、あなた自身の人生を大きく変えるキッカケとなるかもしれません。
保育士求人の現状と転職業界の真実(現役保育者・保育士になりたい人へ)